成長ホルモンのお話をしましょうか
こんにちは。
ただただ夏の終わりがさみしい、院長岡田です。
診療している間に全く見ることがないまま決勝戦は終わってしまいましたが、甲子園も終わりましたね。
沖縄のみなさん、おめでとうございます!
1年間沖縄に住んでいたことがある身としては、沖縄の方がいかに甲子園球児をわが子のように可愛がって応援しているかを知っているだけに、
本当に喜んでいるだろうなと思います。
また今年の甲子園は、ほぼ地元の県立岐阜商業が話題になったのはうれしいです。
僕たちは「けんぎしょう」って呼ぶんですが、結構甲子園に出る割には話題にならないことが多かったですから。
ということで、夏は一気に終わりに向かっていきますね。
今週は胃腸炎症状を訴えるお子さんが目立ちました。
あとは、症状があまりにの熱だけ出ているお子さんも目立ちました。
大人の方が熱が出てのどが痛いと訴えていらっしゃると、コロナがやはり多いかなと思います。
最近、コロナが増えているというニュースが目立つようになってきましたね。
感染力が強いウイルスが流行っているそうです。
かと言って、この暑さの中、マスクをしてくださいとも言いにくいなぁと感じています。
さて、今日はちょっと成長ホルモンのお話をしようかと思います。
成長ホルモンは低身長のお子さんに対して行う注射治療になります。
低身長の中で、成長ホルモンの分泌が少ない子(成長ホルモン分泌不全性低身長)、ターナー症候群、慢性腎不全、プラダー・ウィリ症候群、SGA性低身長が保険適応になります。
なので、
「背が低い」
というだけでは保険適応にならないんです。
成長ホルモン分泌不全性低身長が一番多いんですが、診断のためには「負荷試験」を行って、
診断・適応基準を満たさなければなりません。
なので、これも痩身治療と同じく、保険適応で行おうとするとかなりハードルが高く、なかなか適応にはならないんです。
でも、少しでも子供の背を伸ばしてあげたい、というのが僕たち親としての子供への気持ちとしてあると思います。
特に自分が背があまり高いほうでない場合。
僕はホームページに載せている数字としては171㎝ですが、最近ちょっと低くなりました(笑)今は169㎝です。
実は、僕は中学2年生の時に168㎝でした。
さらにいうと、小学6年生の時に158㎝ありました。
つまり、みんなが伸びる時にはすでに成長のピークを過ぎていて、それ以上伸びなかったんです。
この現象、僕の父も同じなんです。
ということは、僕も父も病名をつけるとすると「思春期早発症」ということになります。
保険診療としての成長ホルモン療法の適応にはならなかったかもしれないけど、
もししかるべき時に成長ホルモンを打っていれば、もっと背が伸びていたかもしれない、ということになります。
でも、それを今言っても何ともならないわけですよね。
何が言いたいかというと、
「親が小さいから子供が小さくても仕方ないんだ」
というのは、確かにその通りかもしれないけど、
「ひょっとしたらこの子を自分よりも背が高い子にしてあげられるかもしれない」
という可能性はあるということです。
それを可能にする手段のひとつが、成長ホルモンということになります。
成長ホルモンの注射は基本的には毎日行います。
お腹や太ももなどに打ちます。皮下注射です。
さて、気になる金額のお話です。
自費診療になるので、高額にはなります。
注射をするのに必要なものは、
薬液をセットするデバイス、薬液、針
になります。
デバイス(シュアパル10) 1本で6000円
薬液(ソマトロピンBS皮下注液10mg) 1本47000円
専用注射針 1セット14本入り 500円 (金額はすべて税込み)
となります。
毎日注射をするお薬の量は、体重によって変わります。
例えば体重20kgの場合、1週間に3.5mg必要です。なので、1日0.5mgということになります。
仮に20kgのまま増えないという前提で計算した場合、
最低でも1か月(4週間)14mg、12か月(52週間)で182mg必要になります。
そのため、受診のたびに体重と身長を計測していくことになります。
成長ホルモン注射を始めるにあたっては、まず
ホームページの診療内容のところの「低身長」
と、自費診療の「成長ホルモン注射」
のところにも記載しているように、
まずは低身長としての精査を受けていただいた方がいいかと思います。
そういったことがめんどくさい!
という場合は、早速注射を始めましょうか。
ただ、効果には個人差があること、場合によってはあまり背が伸びない可能性もあることをご理解ください。